4.
従業員との契約も必要です。
・会社には、秘密にしておくべき情報があります。
Apple社のiPhoneは、現在のモデルが発売された直後から、次期iPhoneは、こんな機能が追加され、デザインはこうなるだろうとネット上で噂されます。そして、時期iPhoneの発売日予想までされます。もし、Apple社の社員が、何も考えずに、次期iPhoneの情報を漏らしたらどうなるでしょうか? もし、Apple社の社員が退社したから、何でも話しても良いだろうと思って、次期iPhoneの情報を漏らしたらどうなるでしょうか?
これはApple社だけの問題ではありません。秘密にしておくべき情報は、どの会社にもあります。従業員の認識もそれぞれです。そのためにも、従業員との契約は必要なのです。
・従業員が同業種の会社でアルバイトしていたら?
最近は、従業員に副業を全面的に禁止する会社が減ってきたと言われています。しかし、本業と全く同じ仕事を別の会社でしていたら大変です。開発中の技術が他社に漏れるおそれがありますし、今まで築き上げたノウハウまでもが流出する可能性もあります。それに、電子データ(ファイル)は簡単にコピーできるため、社外に持ち出すことも可能です。それをアルバイト先のパソコンにコピーされたら一大事です。
特に有能な従業員は、副業する機会もありますし、仕事を効率良く行うため、ファイルを持ち出すことが悪いという認識がなければ、当たり前だと思ってやってしまうこともあります。
トラブルを未然に防ぐためにも、何が良くて何が悪いのかを明確にしておく必要があります。そのためにも契約書や就業規則の策定が必要です。
・従業員がした発明を会社に譲渡する契約も必要です。
研究や開発に従事する従業員は発明をするのが仕事のように思いますので、その発明は会社のものだと勘違いする経営者が多いのも事実です。契約していないと、従業員がした発明は従業員のものになります。会社と従業員とは、従業員の入社時に、発明を会社に譲渡する契約をしても構わないとなっておりますので、必ず書面にして契約しておきましょう。
その代わり、発明をしたら(譲渡したら)いくら支払う、特許になったらいくら支払うという従業員への還元が必要です。あまりにも少ないと裁判にもなりますので、慎重に決める必要があります。