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下手な絵にも著作権が発生しています。
・幼稚園児が描いた絵にも著作権はあるのです。
誰も価値を認めないから問題にならないだけです。しかし、幼稚園児が描いた絵に落書きすると、幼稚園児でも嫌なものです。やはり、どんな下手な絵でも、それなりに考えて描いたのだから、権利があってもいいはずです。それが有名な画家が描いた絵ならなおさら価値を認めるべきです。有名な画家だから著作権があり、幼稚園児だから著作権がないなんていう発想も変です。著作権法では、「誰か」ということは無視して、著作権を認めております。
・著作物とは何か
著作権法という法律は著作物を保護しておりますが、その著作物の定義も法律に書かれております。ちょっと難しい表現ですが、ここを無視するわけにもいきませんので、あえてそのまま説明させてもらいます。
著作物とは「思想又は感情を創作的に表現したものであつて、文芸、学術、美術又は音楽の範囲に属するものをいう。」と書かれております。
絵画の例で簡単に説明すると、自分が描こうとしているもの(人物とか風景とか)を、キャンパスに「どのように描こうかな?」と、頭の中で考えていることだと思ってもらって結構です。例えばリンゴの絵を描くときは、立体の物を平面に描きます。平面に描いても立体のように見せるのかがポイントですし、キャンパスいっぱいにリンゴの絵を描いたときと、小さく描いたときでは印象が違ってきます。絵を描くときは頭の中で色々考えます。
このように頭の中で考えて実際に描いたものが、「思想又は感情を創作的に表現したもの」だと考えて下さい。幼稚園児も有名な画家でも、レベルはともかく、似たような思考で絵を描いているはずです。
それでは、有名な画家の絵画をコピー機で複写したとします。その複写したものは、「思想又は感情を創作的に表現したもの」ではないので著作物ではありません。絵画だから著作物だし、自分がコピーしたのだから(自分が作り出したのだから)、自分の著作権だとは主張できません。