5.
形式的になっている秘密保持契約書
・秘密保持契約書を交わすことが常識になりつつあります。
NDAと略されることがあり、英語にすれば格好良いとされる風潮があるためか、多くの会社で、とりあえずNDAを交わしておこうとなっているようです。
もちろん契約書を交わすことはとても良いことですが、ほとんどの会社は、その英語で略されたものにサインすることだけを目的としているようです。
NDAと略しても、内容は契約書なのです。しかも相手の秘密を他に話したり使わないという大きな義務を負っているのです。
・何が問題か
ほとんどの秘密保持契約書は、何が秘密かを特定していません。詳しく書くとそれだけに限定されるし、これから発生する秘密も含めないといけないので、そのように書かれているのですが、契約後に取引を行ってやりとりする書類に、「秘密」であることを明記されていない実情があります。ここに落とし穴があります。
例えば、個人情報を入手した場合、これは秘密だとわかります。しかし、技術の内容を伝えられた場合、それが新しいものなのか、すでに知られたものなのか、業種によっては理解できないことがあります。担当者のレベルで考えてはいけないのです。経営者の方は、十分に注意する必要があります。